7月の卒業式|まじめ女子の、淡い片思い
「7月の卒業式」は、集英社『別冊マーガレット』1989年7月号に掲載された、全46ページの読み切り作品です。
地味でまじめな風紀委員長・悦子が、思いきって一歩を踏み出す―― ほんの少しの勇気と、ときめきが詰まった、静かであたたかな青春ストーリーです。
「7月の卒業式」の見どころ
きっかけは、女子高生たちの“青春のひとコマ”
1989年5月ごろに描かれた「7月の卒業式」は、多田先生が実際に見かけた、あるワンシーンから生まれた作品です。
きっかけは、3人の女子高生たち。
「学校の人気の男の子に声をかける?どうする?」と、そわそわ話している姿がとっても可愛らしくて…。
その様子を見た多田先生は、心の中で「がんばれっ!」とエールを送りつつ、彼女たちの後ろをこっそりついて行ったとか。
そして、「今しかない!」と、勇気を出して声をかけていた女子高生たち。
多田先生は、その様子に胸をときめかせながら、なんだか懐かしくて、妙な満足感に浸ったそうです。
ご子息が初登場
そしてこの作品は、多田先生がご出産されたあと、初めて描かれたもの。
産後3か月ほどで制作されましたが、実は先生のご子息が学校の先生役で〈何気に初登場している〉という、ちょっと微笑ましいシーンもあるんです。
多田先生のお気に入りエピソード
発表から約10年後に、「地味目のお話なんだけど、(めずらしく)実はけっこう気に入ってる作品なの」と語られていたほど、先生にとっても思い入れのある一編。
さりげない日常の中に、ほんの少しの勇気とときめきを感じる——そんなあたたかい作品です。
「7月の卒業式」のあらすじ
高校3年生の後藤悦子は、地味でまじめな風紀委員長。彼女の心には特別な人がいます。
その人は、学園の人気者で長身の加瀬くん。悦子は彼のことをずっと密かに思い続けています。
いつも遠くから加瀬くんの姿を追う悦子は、「卒業までに自分の存在を彼に知ってもらえたら・・・」という淡い願いを持っていました。
そんなある日、ひょんなことから加瀬くんと話をするチャンスが思いがけずやってきて…。
話どころか、一緒にゲームをしたりハンバーガーを食べたり。加瀬くんにとってはいつものことなのに、悦子にとっては今までにない夢のようなすてきな一日に。
完全に舞い上がった悦子は勢い余って加瀬くんに告白してしまいます…。
告白のあと、ふたりの関係は少しだけ変わったような…でも、何も変わっていないような…?
ふんわりと余韻を残すエンディングは、電子コミックでじっくり味わってください♡
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「7月の卒業式」コミック(印刷)
「7月の卒業式」の掲載コミックは以下の3つあります。どれも絶版ですが古本で入手可能です。
金太クンにご用心! (集英社文庫(コミック版))
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「多田かおるTHE BEST」(クイーンズコミックス)
収録作品:
- 「イ・ケ・ナ・イ・放課後」
- 「スウィート・ダーリン」
- 「7月の卒業式」
- 「ボクが泣く」
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「ミーハー・パラダイス2巻」(マーガレットコミックス)
収録作品:
- 「7月の卒業式」
- 「ミーハー・パラダイス」後半
- 「ミーハーかおるの取材日記」
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「7月の卒業式」関連作品
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